富裕層限定サービス「SMA」とは?少額でもサービスが受けられる!

富裕層限定サービス「SMA」とは?少額でもサービスが受けられる!

SMA(エスエムエイ)という言葉をご存じだろうか?Separately Managed Accountの略で、金融機関が特定の顧客に提供するサービスの1つだ。どんなサービス内容なのだろうか?

この記事ではSMAサービスについて、その概要やメリット・デメリットについて紹介する。

読者の資産運用の参考になれば幸いだ。

 

SMAとは富裕層向けの運用一任サービス

SMAとは富裕層向けの運用一任サービス

SMAは金融機関が主に、富裕層のために提供してきた投資一任サービスだ。

投資一任とはいわゆるおまかせ運用のことで、最初に大まかな運用方針を決定した後、顧客の資金を金融機関が任意に運用する。

SMAでは多くの商品を用い、運用が行われる。運用方針に応じ、株式や債券、あるいは不動産なども含めた幅広い運用を選択肢とし、一般の投資家では難しい商品にも投資をする。

 

SMAを利用するメリット

SMAを利用することで得られるメリットはいくつかある。SMAは投資を一任するサービスであり、投資の専門知識がなくとも運用のプロと同等の運用効果を得ることができる。

運用商品のなかには一般向けでないプロ向けの商品が用意されており、一般向けのものより有利な商品もある。資金が豊富な富裕層がSMAサービスを利用すればこれらの商品にも投資することができ、有利な運用が可能だ。

また、資産を複数の商品で運用する場合、各運用商品の変動が一致しないために資産比率に偏りが出てしまう。この偏りを元に戻すことをリバランスと言うが、一度契約すればリバランスなどのメンテナンスは金融機関が行ってくれる。

富裕層は医者や経営者など、多忙な方が多い。SMAなら資産管理の手間が省けるため、忙しい方にはメリットと言えるだろう。

 

SMAの2つのデメリット

SMAの2つのデメリット

SMAには2つのデメリットがある。どんなデメリットがあるのだろうか。

 

必要投資額が大きい

SMAは富裕層向けのサービスであり、その金額は一定以上を想定している。金融機関によって違いはあるが、最低でも投資額を数千万円以上としているのが一般的だ。

投資資金が足りない、あるいは資金は足りているが他の運用まで含めて考えられないなどの事態が想定される。いずれにせよ、SMAを選択するにはある程度の資金が必要と言えるだろう。

このように資金効率が悪い点がSMAのデメリットの1つだ。

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運用管理コストが高い場合がある

コスト面にもSMAのデメリットがある。SMAでは資産に対し年間数%の手数料が掛かるものが一般的だ。

大きな金額を預けるため、このコストは小さいものではない。仮に1億円をSMAに預けることを考えると、手数料が2%であれば年間200万円もの手数料になる。

SMAで投資する先でも実質的にコストが掛かってくることを考えると、コストの低いサービスとは言えない。コストに見合うパフォーマンスかどうか見極める必要がある。

 

SMAの代替サービス

SMAの代替サービス

近年ではSMAの代わりになるようなサービスも提供され始めてきた。それらのサービスは先述のデメリットを克服しているものもある。いくつか紹介する。

 

対面金融のラップ口座

SMAを提供してきた大手対面金融機関では、より一般向けの投資一任サービスとしてラップ口座を用意している。SMAが最低でも数千万円が必要なサービスであるのに対し、ラップ口座は数百万円から提供している。

ラップ口座も投資一任サービスだが、SMAより運用する金融機関の自由度が低い。そのため、最初に決定する運用方針はSMAより狭い範囲で細かく決める。当初に決定した運用方針以内での運用となり、顧客がリスク度合いを変更したい場合は新たに契約しなおす。

投資金額の面では改善されているラップ口座だが、手数料はやはりSMA同様年間数%掛かるものが一般的だ。対面金融ならではの投資相談サービスは受けられるので、そのサービスが手数料と見合うかどうかは考えておく必要がある。

 

ネット金融のラップ口座

上述したラップ口座はネット専業の金融機関でも提供されている。主にネット証券で提供されており、必要な金額はより小さくなっていることが多い。

ネット金融のラップ口座の場合、コスト面でも改善されている傾向にある。年間1%未満の手数料でサービスを提供している金融機関もある。

ネット金融を利用する場合はアドバイザーがいないため、サービスの継続・中断の判断やその後の管理を自分で行う必要がある。運用自体はおまかせでも、後からリスク度合いの変更する手続きなどは自分で行う。その分低コストで利用ができるサービスだ。

 

ロボ・アドバイザー

近年IT企業が金融業に進出し、IT技術を活かした新しいサービスが生まれている。それらのサービスの総称をフィンテックといい、ロボ・アドバイザーもその内の1つだ。

ロボ・アドバイザーは運用に関する質問を顧客にし、その答えをAIやビッグデータを利用し顧客のリスク度合いを機械的に判断する。その判断に応じ適切な商品、投資比率を提案する。

ロボ・アドバイザーには提案だけ行うものと、その後運用まで行うものがある。運用まで行うものがよりSMAに近いサービスと言えるだろう。リバランスも自動で行ってくれるサービスもある。

ロボ・アドバイザーを利用した投資一任サービスは、最低必要投資額がラップ口座より低い傾向にある。しかし人間のアドバイスは受けられませんので、やはりある程度自分で判断する必要がある。

運用コストに関しては、資産に対し年率1%程度掛かるサービスが多い。ロボ・アドバイザーによってはシステム利用料を別に徴収するものもある。新しいサービスで今後手数料が引き下げられるかもしれないが、現状運用コストには課題が残っていると言えるだろう。
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SMAの要素を持った投資信託

SMAの要素を持った投資信託

上述したような投資一任サービスではないが、一般的な投資信託にはSMAの要素を取り入れた銘柄もある。これらの投資信託はSMAと同じように資産比率のリバランスを行ってくれる。資産のリバランスをしてくれるので、ある程度資産運用をおまかせにできる。

そのような投資信託をいくつか紹介する。ただし、投資信託は投資一任サービスではなく、目論見書(商品説明書のようなもの)に記載されている範囲でしか運用できない。

SMAほど運用会社が自由にリバランスさせることはできないという点には留意してほしい。

 

ターゲットイヤー型ファンド

SMAと似た要素を含む投資信託の内、まずはターゲットイヤー型ファンドを紹介する。

SMAの特徴の1つに資産のリバランスをしてくれるという点があったが、ターゲットイヤー型ファンドもリバランスを自動的に行ってくれる。ターゲットイヤー型ファンドは株や債券など複数の資産に投資をしているが、その資産比率を年齢に応じ自動的にリバランスしてくれる。

ターゲットイヤー型ファンドは、銘柄ごとに運用目標年を設定している。例えば「2040年ターゲットイヤー」のような名称であれば、2040年まで運用を行うことを前提としていることを表す。この目標の年(例えでは2040年)をターゲットイヤーと言う。

このファンドはターゲットイヤーに近づくほどリスクを引き下げていくよう資産をリバランスしていく。最初はリスクの高い株式の比率を高く設定しておき、ターゲットイヤーに近づくにつれ株式比率を下げ、代わりにリスクの低い債券や現金の比率を高めていくのが一般的だ。

一般的に人は若いときの方がリスクを取りやすく、年を重ねるにつれリスクを取りにくくなる。仮に若い内に相場の下落を受け資産価値が下落しても、まだ運用する期間が残されているので資産価値が回復する可能性が十分あるためだ。

しかし年を重ねてくると、残された運用期間が短くなってくる。仮にその時に資産価値が下落してしまうと資産価値が回復する可能性が相対的に低い。したがって、加齢に伴いリスク度合いを引き下げることには合理性がある。

「何歳まで資産運用するか」の目標が設定できれば、その年にあったターゲットイヤー型ファンドを選択すればいい。そうすれば、その目標年に向かって運用リスクが段階的に低くなるよう自動的にリバランスしてくれる。リバランスの手間を省いてくれるという点でSMAと似たような要素を持っている。

なお、ターゲットイヤー型ファンドを含め投資信託には手数料が発生する。買い付け時の販売手数料と信託報酬が主な手数料だ。解約時に信託財産留保額というコストが発生する銘柄もある。

投資信託は全体的に手数料が低くなっている傾向にあるが、買い付け前に確認しておくのが望ましい。販売手数料は証券会社ごとに、信託報酬と信託財産留保額はその銘柄の目論見書で確認する。

 

アセットアロケーション型ファンド

同じく投資信託からもう1つ、自動的にリバランスしてくれるものを紹介する。アセットアロケーション型ファンドという投資信託で、ターゲットイヤー型同様複数の資産を組み入れている。

ターゲットイヤー型が運用年数に応じ資産をリバランスしたのに対し、アセットアロケーション型ファンドはリスクの高まりに応じリバランスする。つまり、株式市場急落などでリスクが高まると株式比率を下げ、リスクの低い債券や現金の資産比率を上げるリバランスを行う。

このような投資戦略をリスク・パリティ戦略といい、ヘッジファンド等の機関投資家が行っている。アセットアロケーション型ファンドも同様の戦略を取る。リスク急騰に気づかず、想定以上のリスクテイクになっていたという事態に対応できるだろう。
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不動産を含めた運用

不動産を含めた運用

上記でご紹介したSMAの代替サービスでは不動産を含めた運用はできない。これらのサービスを利用しながら併せて少額で不動産投資をしたい場合、大きく2つの方法がある。

 

REIT(不動産投資信託)

投資信託の1つで、オフィスなど実際の投資物件を取得している不動産投資法人に投資する方法だ。

投資家らは不動産投資法人にお金を出資し、不動産投資法人はそのお金で投資物件を取得する。投資法人は投資物件から得られる賃料を投資家に分配する仕組みだ。

賃料のほぼ全額を投資家に分配することで不動産投資法人は法人税が掛からないようになっている。

REITを利用すると実質的に不動産に投資をしている効果が得られ、分配金として定期的に賃貸収入を得られるようになる。REITは東証に上場しており1口から売買が可能だ。運用資金に合わせ投資可能で、流動的な売買も可能だ。

ただし、REITはあくまで金融商品であり、不動産の相続税の優遇等は受けられない。

 

不動産小口化商品

REITと同じように少額から不動産投資が可能で、かつ相続時の優遇も受けられるのが不動産小口化商品だ。仕組みはREITと似ているが、より実際の不動産投資に近い効果があり、不動産投資の税制上の優遇も受けられる。

不動産は相続時に多くの優遇策が取られている。このため、同じ評価額なら現金より不動産で相続した方が相続税は安くなる傾向にある。REITは金融商品でありこの優遇は受けられないが、不動産小口化商品なら同様の効果を受けられる。

SMAを利用しなくても、上述の代替サービスとこれら不動産商品を利用すればほぼ同様の投資効果を得ることが可能だ。

 

小さい金額でも富裕層と同様のサービスが受けられる

SMAは資産運用をおまかせにできる点で付加価値の高いサービスだが、資金効率やコストの面で今や有利な運用とは言いにくいものになってきている。

今回紹介したサービスを併用すればこれらの課題をほぼ解決できる。より運用のパフォーマンスを上げるため、是非参考にしてほしい。

金融機関に勤務していた経験から、保険や投資信託など
お金に関わるあらゆる記事の執筆、監修を行っています。
ファイナンシャルプランナーや税金・財務関係の各種資格保有。

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