金・プラチナの価格相場は?過去に見る資産運用として有効な貴金属

金・プラチナの価格相場は?過去に見る資産運用として有効な貴金属

昨今の日本では、将来に対する不安を抱えている人も多いだろう。

超高齢化社会

少子高齢化

老後2000万円不足問題

日本は、世界1位の長寿国であるが、現在の日本で本当に老後を楽しめるのだろうか?

生きていくためには、当然にお金が必要となる。

最近では投資を始める方も増えているが、株式投資や債権投資などは、知識を持たずに始めると大きな損失を被る可能性すらある。

そこで注目を集めている投資先が、金とプラチナである。

金とプラチナは、世界的にその価値が認められており、極端な話をすれば日本が破綻してしまっても金やプラチナの価値は変わらない。

そこで今回は、安全性の高い金・プラチナの価値や資産運用について詳しく紹介していく。

 

金とプラチナどちらの価値が高いのか

金とプラチナどちらの価値が高いのか

資産運用で組み入れておきたいポートフォリオのひとつとして貴金属がある。

株式、債券といった金融資産と違い、実物資産であるため無価値になる可能性は極めて低い。運用先として非常に安心できるもののひとつである。

貴金属の中でもとりわけ金、プラチナは手を出しやすい。

金、プラチナに投資する際に需要なことは「いかに価値が安定しているか」という点である。この点を見誤ると投資後に資産が目減りする可能性がある。

実際、金とプラチナはここ5年間で価格の逆転現象が起きており、せっかく投資したのに資産価値が減少してしまったという事例も数多く聞く。

金とプラチナ、はたしてどちらが投資先として有効なのであろうか。

過去の値動きを踏まえて詳しく解説する。

 

プラチナの価値

一般的に、プラチナは希少価値が高いことで良く知られている。

実際、地球上に存在するプラチナの埋蔵量は約1.7万トンと言われ、金の埋蔵量に比べると約28%しか存在しない。

プラチナは宝飾品以外にも工業用資材として幅広く利用されており、その分野は自動車の排気ガス用浄化用触媒、水素化反応用触媒、磁気記録ヘッド、抗がん薬など多方面に渡る。

こうした需要が今後さらに高まることを見越して、資産として保有するのは有効であると言える。

 

金の価値

金の価値について考えてみると、古来、希少品として広く認知されてきた点が特徴である。

金が価値のあるものとして認識されたのは紀元前6000年前からと言われている。

そこから約17万トンもの金が採掘されており、埋蔵量は残り約7万トンしかないと言われている。

プラチナに比べると埋蔵量は多いものの、かなりの量が採掘されつくされており、今後さらに希少価値が上がってくるものと考えられる。

何より、中央銀行が資産価値のあるものとして保有していること自体、金が希少価値のあるものだということを表している。

株式、債券のようにある日突然無価値になることがないため、資産形成をする上で組み入れておきたいポートフォリオのひとつである。

 

価格逆転現象

希少性から鑑みるとプラチナの方に分があり、実際価格面では常に、プラチナが金の価格を上回っていた。

ところが、近年はこれが逆転している。いわゆる「価格逆転現象」と呼ばれるものである。

2019年12月現在、金・プラチナ価格は以下の通りである。

金    約5700円/g

プラチナ 約3600円/g

ちなみにここ半年は、金・プラチナとも価格は上昇基調にある。

過去半年の上昇率を見ると、金・プラチナともに半年前に比べ価格は約1.14倍である。

一方で、5年前のそれぞれの価格は以下の通りであった。

金    約4300円/g

プラチナ 約4200円/g

こうして比較するとプラチナの価格が一方的に下落していることがわかる。

2014年まではプラチナの平均価格は4700円/g程度であった。

同時期の金の平均価格は4300円/gであったので、少なくとも2014年まではプラチナの方が、価値が高かったことがわかる。

この時期の経済状況を見ると、ちょうどBRICSが著しい経済発展を遂げた時期にあたり、特に中国国内にいる富裕層の購買意欲は相当高かった。

貴金属についても例外ではなく、資産として保有することを目的としてプラチナを大量購入していた。

こうした消費行動によりプラチナ価格の高騰を引き起こしていたのである。

ところが2014年半ばから状況が一変する。

事の始まりは南アフリカで起きたプラチナ鉱山会社のストライキであった。

この年、南アフリカにあるすべてのプラチナ鉱山会社において半年間ものストライキが発生した。

通常、こうしたストライキが発生すれば、プラチナの生産量が減り価格は高騰するはずである。

ところが実際には、プラチナ価格は大幅に下落した。理由は、大幅な需要減と在庫が積み上がったからである。

ストライキにより、南アフリカのプラチナ供給量は前年比約20トンも下落した。

にもかかわらず需要自体が減少し、前年比約20トン減となった。加えて、在庫(採掘後の地上在庫)も20トン増加した。

結果として、南アフリカの供給不足はそれほど懸念事項にはならなかった。

むしろ、供給過多状態となった。そのため、価格高騰を見越していた投機家、ディーラーは大きな損失を被ることになりプラチナを手放す者が続出した。

このことにより、市場価格の下落を招いたのである。

こうして2014年に価格が逆転したのだが、この現象は現在も続いている。

南アフリカでの出来事が引き金とは言え、もともとプラチナの希少性、需要からすればプラチナ及び金の価格は「プラチナ>金」となるはずで、5年以上もこの状態が続いているのは不思議なことである。

この状態が継続し続けている原因は長引く世界経済不況にあると言われている。

具体的には以下の2点を挙げることができる。

・世界経済の減速によりプラチナの需要が減り価格下落につながった

・経済停滞により安全資産である金に対する需要が高まった

1点目のプラチナ需要の減少であるが、具体的には中国の景気減速懸念によるところが大きい。

つまり、工業用品としての役割を担うプラチナの需要そのものが減少し、富裕層の買い控えとも相まってプラチナ消費が減少してしまったのである。

2点目については、資産の退避先として金が注目され需要が増えたことである。

中国富裕層はプラチナの買い控えをする一方で、安全資産である金を保有する志向へと変化した。この消費行動の変化が、結果として金の価格を押し上げることとなった。

価格逆転現象が発生した時期は、ちょうどロシアがウクライナ東部へ干渉を行い、クリミア半島の編入が行われた時期でもある。

国際的に孤立を深めるロシアが金を大量に保有し始めたとも言われている。

さらに、2016年のEU離脱についての英国国民投票、2017年以降の米中貿易戦争など景気減速懸念となる出来事が相次いだ。

これら出来事が度重なり価格逆転現象は常態化した。

現在でも、金の価格が比較的高い水準で安定している一方で、プラチナの需要は伸びず価格低迷が続いている。

 

投資や資産として有効なのはどちらなのか

投資や資産として有効なのはどちらなのか

投資や資産形成において金、プラチナどちらの方が有効であろうか。

それを考えていく上で考慮しなければならない点のひとつは流動性及び資産価値である。

流動性の高いものは換金性も高く取引量も多いことから値がつきやすい。

これは資産価値が安定することに寄与する。

流動性が低い場合「思った値段で売れない」「買いたい値段で買えない」といった状況が発生する。このため価格の変動も大きく、値崩れを起こす、もしくは値段が跳ね上がる状況が生まれやすい。

つまり、資産価値が上がりやすい一方で目減りもしやすく、安定資産を保有する観点からは不向きであると言える。

 

プラチナの流動性及び資産価値

プラチナの流動性は一般的には低い。

もともと希少な金属のため絶対的な流通量が少ない。加えて、近年の価格低迷によって市場取引されにくくなり、さらに流動性が低下している。

つまり、短期間で資産価値が大きく膨らんだり、逆にしぼんだりしてしまうことがあり得る。

プラチナの流通量は金の流通量に比べるとかなり少ない。そもそも供給量自体、金の供給量に比べ約20%しかなく、年間供給量は240トン~250トン程度である。

需要量も同程度であり、需要量と供給量が釣り合っている状態である。

これは、ひとたび需給関係が崩れると価格が大きく変動することを意味する。

当然ながら換金性も低く、資産価値が大きく変動する要因となる。

 

金の流動性及び資産価値

金の流動性は比較的安定している。

金の供給量が安定していること、最近の経済状況が芳しくないこと、安定資産として広く認知されていることによって金の需要が高まっている。

金の流通量はプラチナに比べるとはるかに多い。供給量は年間約4500トンあり、需要量は年間約4000トンである。

需要に比べて適切な範囲で供給がなされており、余剰分の金が流動性を高めている。

流動性が高いため換金性も高く、資産価値の安定化に寄与している。

なお、一説には金の流動性は、国債、社債よりも高い、といった見解もある。

 

過去に見るプラチナと金の買取相場

過去に見るプラチナと金の買取相場

ここまで、5年間に発生した価格形成にかかわるイベント及び価格推移を見てきた。

それでは、10年間の買取価格はどのように推移してきたのだろうか。

過去10年間の金、プラチナそれぞれの平均買取価格を比較する。

 

【プラチナ】過去10年間の平均買取相場

過去10年間(2009年~2019年)のプラチナの平均買取価格を見てみると、2009年は3700円/gだったものの、翌年2010年より4000円/gを超えた。

2011年から2014年までは約4500円/gの高値で推移した。

2013年並びに2014年前半にはピークである4700円/gをつけている。

2014年中盤からは明らかな下降トレンドとなっており、2014年に関しては平均値として高かったに過ぎない。

実際、2015年には平均価格は4200円/gに下がり、2016年以降に至っては3500円/gと大幅に下落している。

ちなみに、2015年を見てみると、最高値が4928円/gであるのに対し最安値はなんと3367円/gと1年の間で約1600円/gもの開きが出ている。

この点からもプラチナの価格は短期間に乱高下することがわかる。

 

【金】過去10年間の平均買取相場

過去10年間の金の平均買取価格を見てみると、2009年、2010年はそれぞれ2900円/g、3500円/gであった。

2011年以降の平均買取価格は4400円/gに上昇した。

平均価格だけ比べるとプラチナの方が高いように見えるが、金の場合は毎年4400円/g程度で推移している。

実際、2011年以降の最高値、最安値の差を見てみると、例外的に1200円の差が出た年(2013年)はあるものの、その他の年については300円~800円程度に収まっている。

金の価格は一定レンジの中で動いていたことがわかる。

 

まとめ

まとめ

金とプラチナを比較した場合、プラチナの方が、値動きが激しく安定性に欠けていると言える。

現在の世界情勢、経済状況を鑑みると、プラチナの価格が大幅に上昇することは考えにくい。

今後の展望としては、世界経済の成り行き、とりわけ、中国、ロシアの経済状況が好転するか否かが、プラチナの価格に大きな影響を与えるものと考えられる。

好材料としては、ここ最近の米中貿易交渉が何らかの妥結をする可能性がある点である。少なくとも貿易紛争が落ち着きを取り戻しつつあることは好材料と言えるだろう。

ただし、一連の貿易紛争の引き金をひいた米国は中国以外にも欧州、日本、メキシコ、カナダ、アジアなどあらゆる方面で火種を抱えており、こうした貿易紛争がいつ再燃するか予断を許さない。

トランプ大統領が2020年大統領に再選されるかもひとつのポイントとなる。

トランプ大統領が再選された場合は、今までのような保護主義的な政策が継続されることになる。

世界経済全体から鑑みると、必ずしもプラスであるとは言えない。

その場合、現在の価格逆転現象は当面続くものと想定される。

こうした点を踏まえると、安定的な資産形成を行う上で、金の方が投資対象として有効であると言える。

安定面を重視するのであれば、金に投資する方が資産価値を徐々に増やすことができる。

ただし、長期的な視点で見た場合、ボラティリティが大きい分、資産を大きく増やすことができる。

将来を見据えて値上がり益を取りたいのであればプラチナをポートフォリオに加えることも選択肢のひとつとなる。

金、プラチナともに価格形成をする上での特性がある。自己資金をどのように振り分けるか、投資スタンスによって判断することが求められる。

富田FP事務所 代表 ファイナンシャルプランナー
2019年度MDRT成績資格会員(8年連続MDRT成績資格会員)
ゴールドマン・サックス証券会社等、複数の金融機関にて勤務し、金融業界のノウハウを学ぶ。2007年 独立して、株式会社フォーチュンフィールド設立。富田FP事務所として、独立系FP、独立系IFAを含め、証券会社、保険会社、保険代理店、にて金融業界の知識を活してプロフェッショナルの事業を行う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です