年収1,000万円住宅ローンの適正額と賢く組むポイントは?

年収1,000万円 住宅ローンの適正額と賢く組むポイントは?

住宅は人生で一番大きな買い物だ。有名企業に勤め、年収1,000万円ほどあっても家族の生活費や子どもの教育費を考えると、住宅ローンを組むことに躊躇する人もいるだろう。

今回は、お金の専門家ファイナンシャルプランナーが、収入や生活に見合う住宅ローン、ライフステージ別の家計収支、優遇制度の活用法や賢く組むポイントについて紹介する。

これから住宅ローンを組む方にとって必ず役立つ内容になっているので、最後までお読みいただきたい。

 

年収1000万円で住宅ローンはいくらが適正?

年収1000万円というと、世間的には高収入であり、何ひとつ不自由のない生活を送ることができると思われるだろう。日本人の平均年収は420万円であり、年収1000万円以上もらっている人は、わずか4%しかいない。しかし、高収入にも関わらず、貯蓄が出来ない人が多いのも事実だ。

収入が増えるにつれ、支出も増えるのはやむを得ないことだが、湯水のようにお金を使えるほどの収入額でもない。では、住宅ローンはいくらが適正だろうか。

 

返済負担率とは

金融機関が融資する住宅ローンは、「返済負担率」をもとに算出している。これは、収入の中で住宅ローンの返済がどの程度占めるかという指標であり、年間の返済額÷年収×100で計算される。返済負担率は、金融機関によって異なるが、一般的に年収の30%から35%までと言われている。

年収400万未満 年収400万円以上
30% 35%

 

年収1000万円だと最大いくらまで借りられるか

年収1000万円の場合、金融機関は返済負担率35%まで融資してくれる。仮に1.5%の固定金利、返済期間は最長の35年で住宅ローンを組んだ場合、借入可能額は9,525万円となる。0.65%の変動金利なら1億953万円だ。

返済期間 1.5%固定金利 0.65%変動金利
35年 95,250,000円 109,530,000円
30年 84,510,000円 95,370,000円
25年 72,920,000円 80,740,000円
20年 60,440,000円 65,620,000円

返済期間が定年までなど長期に及ぶ場合、返済負担率を35%にしない方が良いだろう。なぜなら、会社の業績が悪くなりボーナスが支払われない場合や転職し収入が減ってしまった場合、住宅ローンの返済が困難になる可能性がある。年収1000万円の場合、返済負担率を35%とするなら、年間の返済額は350万円となるが、もし収入が減ってしまい、年収が800万円となってしまったら、返済負担率は44%だ。これでは収入のほとんどを住宅ローンの返済に充てることになってしまい、日々の生活は苦しくなるだろう。

返済期間が短ければ、長期間に変えることによって毎月の返済額を軽減することができるが、完済予定年齢が定年を超える場合、金融機関は返済期間を延長してくれないだろう。また、変動金利で借りる場合も、返済負担率を上げることは危険だ。現在は低金利のため、変動金利は1%を切っているが、将来、景気が良くなった時、金利が上昇し、返済額が増えてしまう。返済負担率は25%程度にとどめた方が良いだろう。

 

頭金はどのくらい必要

今のような低金利の時代、頭金を入れずに投資や運用に回した方が良いと考える人も多いだろう。一方、頭金を入れることにより、融資が通りやすくなる、金利が優遇されるなどのメリットを受けられる場合がある。たった0.5%の金利優遇でも、5000万円を35年で借りた場合、500万円程度返済総額が減ることになる。一般的に頭金は購入額の2割程度と言われている。

しかし、必ずしも2割を頭金として入れる必要はなく、1割または頭金を入れなくても条件が変わらない場合もある。金融機関が知りたいことは返済能力である。

購入額の2割程度の貯蓄もできない人が、本当に住宅ローンが返せるのか、ということだ。頭金の有無にかかわらず、住宅ローンの優遇を受けるためには、住宅価格の2割程度の資金準備が必要ということだ。

 

年収1000万円でも住宅ローンが組めないケース

年収1000万円でも住宅ローンが組めないケース

高所得者の方が住宅ローンの審査に通りやすい。しかし、高所得者でも審査が通らないケースがある。具体的な事例を紹介していくので、審査時の参考にして頂きたい。

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銀行員が明かす住宅ローン審査が通りにくい職業とは

自営業や個人事業主は住宅ローン審査に通りにくい。その理由は、経営規模が小さいため、景気動向に売り上げが左右される可能性が高いからだ。サラリーマンより収入が多くても、安定収入が見込めないという点で、審査が通りにくい。

また、節税しようと生活費の一部を経費で落とすなど、売り上げは大きいが、利益が少ない場合もある。金融機関が融資審査で重視するのは利益の額であるため、このような場合、ローンの審査が通りにくい。自営業や個人事業主が住宅ローンの審査に通るためには、安定した利益を出し続けることが必要だ。

 

銀行員が明かすサラリーマンでもローン審査が通りにくい属性とは

外資系企業の営業職など、給与形態が歩合制の業種もローン審査が通りにくいと言える。前述の理由と同様、収入が安定していないからだ。タクシードライバーや保険の外交員なども歩合給の場合が多い。

また、給与が安定している大企業でも、勤続年数が短い場合、ローン審査が通りにくい。なぜなら、日本企業には古くから終身雇用の考え方があり、勤続年数が長くなるほど、収入が上昇する。勤続年数が短い場合や転職が多い場合、収入が増えにくいと、金融機関は考えるからだ。

 

支出の額、貯蓄の額も審査に影響する

1.3の頭金の所でも説明したように、金融機関は貯蓄が出来る人物かどうかという点も審査の基準としている。高収入で安定していても、すべて支出していては、住宅ローンの返済も困難と見られ、借り入れは難しいだろう。

 

クレジットカードなどの信用情報で重視するポイント

住宅ローンの審査では信用情報も重要になる。クレジットカードの支払いが期日より遅れると審査には悪影響だ。期日に1日でも遅れると、信用情報に2年間記録されるので注意しよう。

住宅ローンの審査ではその他の債務の申告も必要となるが、カードローンや消費者金融に借り入れがある場合、審査に悪影響となる。また、奨学金の返済や携帯電話端末の分割支払いも申告の対象となることを忘れてはならない。

さらに注意したいのは、クレジットカードなどのキャッシング枠だ。キャッシングを利用していなくても、その枠があるということは、いつでも現金を借りることができてしまうため、その他の債務の枠にカウントされる。利用していないなら、キャッシング枠を閉鎖した方がよいだろう。

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ライフステージ別の家計収支シミュレーション

5,000万円を1.6%固定金利、フラット35で住宅ローンを組んだ場合、毎月の返済額は約156,000円となる。この前提で、ライフステージ別の家計収支を見てみよう。なお、その他の前提条件は、年収1,000万円、手取り年収725万円とし、生活費は総務省の「家計調査」から、収入別に抽出した平均値を使用する。教育費は文部科学省の「子供の学習費調査」の平均値を使用する。

 

未就学児または公立学校に通う場合

未就学児または公立学校に通う場合

子どもが未就学児や公立の小中学校に通う場合、教育費はそれほどかからない。年間収支は次の通りだ。

手取り収入 725.0万円
食費

水道・光熱

日用品費

住宅ローン

修繕・維持管理費

被服費

教育費

保健医療

交通費

通信費

教養・娯楽

諸雑費

支出合計

112.0万円

27.9万円

18.7万円

187.2万円

14.4万円

25.2万円

27.8万円

18.9万円

15.9万円

24.0万円

56.7万円

41.7万円

570.4万円

収支合計 154.6万円

上記のシミュレーションから、家計支出の中で住宅ローンが一番多いものの、収支はプラスになり、貯蓄が出来る状態であることがわかる。

 

子どもが中高一貫の私立学校に通う場合

子どもが中高一貫の私立学校に通う場合

子どもが私立の学校に通う場合の収支を見てみよう。ここで注意したいことは、第1子が私立中学校に通う場合、第2子も同様、私立中学校に通う可能性が高い。ここでは、第1子は私立高校、第2子は私立中学に通うものとしてシミュレーションする。

手取り収入 725.0万円
食費 等

住宅ローン

教育費

支出合計

355.4万円

187.2万円

235.8万円

778.4万円

収支合計 ▲53.4万円

教育費が家計を圧迫し、収支はマイナスとなる。こうなると世帯主の収入だけではまかないきれない。しかし、53万円程度の不足を補うならば、配偶者にパートに出てもらうだけで大丈夫だろう。

 

子どもが私立大学に通う場合

教育費で最も高額なのは大学の費用だ。特に私立の理系については、卒業するまでに600万円程度の支出となる。また、自宅から遠い大学に通う場合もよくある。その場合、生活費などの仕送りも必要だ。ここでは、第1子は一人暮らしで私立理系の大学へ通い、第2子は私立高校に通うものとする。

手取り収入 725.0万円
食費 等

住宅ローン

教育費

支出合計

355.4万円

187.2万円

353.4万円

896.0万円

収支合計 ▲171.0万円

大学生の子どもがいる家庭では、家計が非常に厳しくなることが多い。収支は大きくマイナスとなるため、貯蓄を取り崩しながら生活する状態が続くだろう。貯蓄がない場合は、子どもに奨学金を借りてもらう必要もある。そのような状態を避けたいならば、子どもにお金がかからないうちに、教育資金の積み立てを行うことだ。

 

子どもが大学を卒業し独立した場合

子どもが大学を卒業すると、一気に負担が減る。また、社会人となり自宅を出れば、生活費も減るだろう。子どもが自宅から通勤する場合は、生活費の一部を家計に入れてもらうこともできるだろう。

手取り収入

子どもからの生活費

725.0万円

36.0万円

食費 等

住宅ローン

教育費

支出合計

355.4万円

187.2万円

0万円

542.6万円

収支合計 218.4万円

子どもにお金がかからなくなると、収支は大幅に改善するが、油断してはならない。この後に訪れる老後の生活の準備が必要だからだ。

 

定年退職後も住宅ローンが残る場合

住宅ローンを組む際、返済期間は定年までにするか、定年を過ぎても、退職金で残額を返済できるように設定することが一般的だ。しかし、やむを得ず、定年退職後も住宅ローンが残るケースもある。家計収支を見てみよう。

世帯主年金

配偶者年金

309.0万円

78.0万円

食費 等

住宅ローン

支出合計

355.4万円

187.2万円

542.6万円

収支合計 ▲155.6万円

公的年金だけでは収入として不十分であるため、生活費が不足する家庭が多い。さらに、住宅ローンまで残ると、家計は火の車だ。働いて収入を得たくても、若い頃のように、体の自由も利かなくなる。加えて、高齢になると介護や医療の負担が増すことが多い。住宅ローンは老後に残さない方が良いだろう。

 

住宅ローンを賢く組む為のポイントは7個!

住宅ローンを賢く組む為のポイントは7個!

サラリーマンにとって、住宅ローンより大きな借り入れはない。だからこそ、慎重に検討し、賢く組むことが必要だ。

 

返済期間に注意

返済期間は定年までに設定した方が良いだろう。なぜなら、少子高齢化の日本において、今後ますます公的年金が減額されることが予想されている。公的年金だけで生活できる家庭は少ない。多くの家庭では、老後の生活費の不足分を、退職金または自助努力により積み立たてた資産を取り崩し生活する。

また、終身雇用が崩壊した現代において、退職金もあてにならない。つまり、退職金を使って住宅ローンを一括返済する計画も立てない方が良いだろう。

 

ライフプランを考慮した返済金額を

3章の事例をご覧いただいた通り、子どもの教育費は思いのほか負担が大きい。特に高校生、大学生になると、私立学校に通う場合もあるため授業料が高額になる。また、受験のため学習塾代などの費用が高額になる場合もある。住宅ローンを組む際、将来を見据えた返済計画が必要だ。

毎月の返済を決める際、現在の家賃は一つの目安となる。しかし、毎月の返済額が今の家賃より安いからと安心してはいけない。住宅を購入するとこれまでかからなかった固定資産税や修繕費などの費用も生じる。さらに、変動金利で借りた場合、金利が上昇すると返済額が増加する。

返済計画を立てる際は、金融機関だけでなくファイナンシャルプランナーに相談し、ライフプランのシミュレーションを作成してもらうと良いだろう。ファイナンシャルプランナーを選ぶ際に注意したいことは、できるだけ借り入れする金融機関や住宅メーカーと関りがない人を選ぶことだ。金融機関の担当や住宅メーカーもファイナンシャルプランナーの資格を持っている場合があるが、彼らにライフプランのシミュレーションを依頼すると、そこに利益相反が生じる可能性が高い。シミュレーションを作成するのに費用がかかっても、できるだけ中立的な人物に依頼した方が自分の資産を守ることができる。

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固定金利か変動金利か固定期間選択型か

住宅ローンの金利には3種類ある。

固定金利は借入期間中、金利は一定で返済額も変わらない。将来の金利変動が心配な場合や返済期間が長い場合は固定金利を選んだ方が良いだろう。なぜなら、返済期間が長期に及ぶほど将来の収入や支出を見通すことが難しくなる。そのような状態でローンの返済額まで変動すると不確定要素が多くなり、計画的な資産造りが困難になるからだ。

変動金利は半年ごとに金利を見直し、5年ごとに返済額が変わる。

金利が上がれば5年後に返済額を見直され返済額が増えるが、上限はこれまでの返済額の1.25倍までとされている。つまり、毎月10万円の返済ならば12.5万円までだ。ただし、上限があるからと言って安心してはいけない。本来の金利による返済額が1.25倍を上回るとき、利息だけを返済し続け元本は減っていないのだ。変動金利は固定金利より1%程度低いが、この未払利息には注意が必要だ。返済金額に余裕がある場合や、金利が上昇する前に住宅ローンを借り換えできるほど市場を観察できる人は、変動金利を選ぶと良いだろう。

固定期間選択型は固定金利の期間を3年、5年、10年などの中から選択できる。期間を満了すると固定期間選択型か変動金利を選ぶことができる。金利は、変動金利より高く固定金利より低く、固定期間が短いほど金利が低い。注意したい点は、固定期間を満了した際、変動金利のような返済額の上限はない。一定期間だけ金利を下げ返済額を減らし、期間満了後に繰上返済する場合には、固定期間選択型を選ぶと良いだろう。例えば、この後説明する住宅ローン減税の10年間だけ毎月返済しながら税金を減らし、減税期間が終わったら繰り上げ返済するような場合だ。

 

連帯保証か連帯債務かペアローンか

夫婦で住宅ローンを組む場合、連帯保証と連帯債務、ペアローンの3種類ある。

連帯保証の場合、債務者あくまでも住宅ローンを組んだ本人だ。本人が返済していれば連帯保証人は返済する必要はない。メリットは収入額を夫婦で合算できることだ。

連帯債務の場合、夫婦連名で1本の住宅ローンを組み夫婦で返済することになる。連帯保証と同様に夫婦の収入を合算できる。夫婦で住宅の持ち分割合を決め、それと同率でローンを返済するのが一般的だ。住宅ローン控除は返済割合に応じて夫婦ともに受けることができるが、団体信用生命に加入できるのは本人だけとなる。

ペアローンは連帯債務とよく似ている。連帯債務との違いは、住宅ローン契約が2本になるところだ。つまり、事務手数料や印紙代などのコストは2倍になるが、団体信用生命に夫婦それぞれで加入できる。

夫婦共働きの場合、連帯債務やペアローンを利用するのも良いだろう。住宅ローン減税を夫婦で利用できるのは魅力だ。配偶者の収入が少ないならば、すまい給付金を受給できる可能性もあるだろう。契約コストを減らしたいなら連帯債務にすると良い。配偶者に団体信用生命がないことが心配なら生命保険で補うことができる。その方が安価だ。

 

住宅ローン減税をフル活用

住宅ローン減税は借り入れから10年間、所得税および一部の住民税の控除が受けられる制度だ。適用には、延床面積が50㎡以上、返済期間は10年以上、居住することなどの条件がある。

一般住宅 長期優良など認定住宅
最大控除額(年間) 40万円 50万円
控除額の計算 年末残高等×1%

(40万円まで)

年末残高等×1%

(50万円まで)

控除期間 10年間 10年間
適用条件 ・金融機関等からの借入

・延床面積50㎡以上

・借入期間10年以上

・年間所得3,000万円以下

・取得後6か月以内に居住し、引き続き居住すること

左記に加え、

・認定長期優良住宅

・低炭素建築物

・低炭素建築物とみなされる特定建築物

※上記は2014年1月1日から2021年12月31日まで

年間40万円を上限に、住宅ローン残高の1%を10年間減税することができる。つまり、ローンの返済が進むにつれ、控除額は減額される。納税額が多く、住宅ローン減税をフルに活用したい場合は、なるべく長期に組み、減税期間が終わってから繰上返済を進めていくと良いだろう。また、減税額の上限は40万円であるため、配偶者も納税者ならば住宅ローン控除を活用できるようバランスよくローンを分担すると良いだろう。

 

繰上返済のタイミング

借金はなるべく早く返したい、と思う人は多い。しかし、住宅ローンは他のローンと低金利で借りられる唯一のローンだ。例えば、子どもの学費が足りなくて教育ローンを借りる場合、金利は一般的に4~5%程度だ。生活費が足りなくてカードローンを利用する場合、金利は一般的に10%を超える。子どもを養っているうちは教育費の面など、支出に見通しが付かない場合が多い。繰上返済を行うなら、子どもが自立し将来の支出に見通しが立ってからの方が良いだろう。

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借り換えのタイミング

住宅ローンを借り換えする場合、金融機関に対し事務手数料が生じる。事務手数料は借入金額や期間などにより異なるが、50万円から150万円と高額だ。金利が下がるからと借り換えしたものの、手数料が高くて逆に損をする場合がある。借り換えするなら、残りの返済期間が10年以上あり、金利を1%以上引き下げられる場合に行うと良いだろう。

実際、得になるかどうかは金融機関で試算してもらうと良いが、手続き的にも手間がかかるため、10年以上かつ1%減の条件を満たす場合、検討すると良い。なお、2.2で説明した通り、転職して間もない場合は借り換えもできないことがあるので注意しよう。

 

住宅ローン控除で実際いくら戻る?

住宅ローン控除で実際いくら戻る?

住宅ローン控除については、4.5で説明しているので、ご参考いただきたい。ここでは、実際どのくらい戻るかを試算する。

 

年収1000万円、5000万円借り場合の減税額

年収1,000万円の場合、1年間に所得税および住民税を約129.3万円支払うことになる。5,000万円の住宅ローンを組んだ場合、控除される金額は次の通りだ。

経過年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
ローン残高 4,891

万円

4,779

万円

4,667

万円

4,552

万円

4,436

万円

4,318

万円

4,198

万円

4,077

万円

3,953

万円

3,828

万円

残高の1% 48.91

万円

47.79

万円

46.67

万円

45.52

万円

44.36

万円

43.18

万円

41.98

万円

40.77

万円

39.53

万円

38.28

万円

控除額 40

万円

40

万円

40

万円

40

万円

40

万円

40

万円

40

万円

40

万円

39.53

万円

38.28

万円

控除額は住宅ローン残高の1%だが、控除できる上限は40万円だ。返済が進むにつれ、借入残高が減少していくため、上図のとおり9年目10年目では控除額が40万円を下回る。

住宅ローン控除がなければ、年間130万円程度の所得税および住民税を支払うことになるが、住宅ローン控除を使うことで約40万円も節税ができる。10年分合計すると397.81万円も節税できることになるのでお得だ。

 

夫婦共有名義で借り入れた場合の減税額

配偶者も納税者なら連帯債務等でローンを組み、夫婦で住宅ローン控除を活用した方が良いだろう。例えば、本人の収入に加え配偶者にも年間300万円の給与収入があるとしよう。5,000万円の住宅ローンを本人が4,000万円、配偶者が1,000万円返済するとする。夫婦の控除金額は次の通りだ。

本人の控除額

経過年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
ローン残高 3,912

万円

3,824

万円

3,733

万円

3,642

万円

3,549

万円

3,454

万円

3,359

万円

3,261

万円

3,163

万円

3,062

万円

残高の1% 39.12

万円

38.24

万円

37.33

万円

36.42

万円

35.49

万円

34.54

万円

33.59

万円

32.61

万円

31.63

万円

30.62

万円

控除額 39.12

万円

38.24

万円

37.33

万円

36.42

万円

35.49

万円

34.54

万円

33.59

万円

32.61

万円

31.63

万円

30.62

万円

 

配偶者の控除額

経過年 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
ローン残高 978

万円

956

万円

933

万円

910

万円

887

万円

864

万円

840

万円

815

万円

791

万円

766

万円

残高の1% 9.78

万円

9.56

万円

9.33

万円

9.10

万円

8.87

万円

8.64

万円

8.40

万円

8.15

万円

7.91

万円

7.66

万円

控除額 9.78

万円

9.56

万円

9.33

万円

9.10

万円

8.87

万円

8.64

万円

8.40

万円

8.15

万円

7.91

万円

7.66

万円

さらに、配偶者の所得が少なく要件を満たせば、持ち分割合に応じてすまい給付金を受給することもできる。

住宅ローンを分けることで本人の控除額は減額されるが、上限額である40万円を超える部分を配偶者枠に振り分けることができる。上図の例では、本人の控除額は10年間で349.59万円だが、配偶者10年分の控除額87.4万円を加えると、世帯では436.99万円控除できることになる。住宅ローンを夫婦で利用することで、5.1の例よりも39.18万円控除額が増えるのだ。配偶者も納税者ならば、住宅ローンを分担し減税制度をフルに活用した方が良いだろう。

 

まとめ

有名企業に勤め年収は1,000万円あるからと言って、思うままに豪邸を建てられるわけではない。住宅ローンを組むなら長期にわたって返済が続く。住宅ローンを組むときは将来の収支を見据えた計画が必要だ。

ここまで住宅ローンの審査基準や賢く組むポイント、住宅ローン控除をうまく活用する方法を紹介してきたが、一番大切なことは人生設計であるライフプランのシミュレーションをすることだ。ライフプランはなるべく自分で作らない方がよい。自分で作成するとどうしても主観が入り、正確な分析やシミュレーションができない。ライフプランは住宅メーカーや借り入れする金融機関とはかかわりがない、完全に独立したファイナンシャルプランナーに作成してもらうと良いだろう。

【記事執筆】富田FP事務所 代表 ファイナンシャルプランナー
2019年度MDRT成績資格会員(8年連続MDRT成績資格会員)
ゴールドマン・サックス証券会社等、複数の金融機関にて勤務し、金融業界のノウハウを学ぶ。2007年 独立して、株式会社フォーチュンフィールド設立。富田FP事務所として、独立系FP、独立系IFAを含め、証券会社、保険会社、保険代理店、にて金融業界の知識を活してプロフェッショナルの事業を行う。

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