保険料の相場はいくら?相場よりも大切にしたい保険選びのポイントとは?

保険料の相場はいくら?相場よりも大切にしたい保険選びのポイントとは?

一般的に家計における固定費の中で、大きな割合を占めているのが保険料である。保険を申し込むときには、ほとんどの場合は保険会社の担当者と相談して保険を検討していくことになるが、想像以上に保険料が高額で驚いた経験がある人も少なくないだろう。

また、節約のために今入っている保険を部分的に削りたいと考えている人もいるのではないだろうか。

そんなときについつい調べたくなるのが保険料の「相場」である。

しかし、保険の種類は多種多様で、選ぶ保険種類によって数千円、ときには数万円単位で変わってくるため相場に合わせようとすることはおすすめできない。

高ければ高いほど良い保険とは限らず、年代、家族構成、雇用形態、貯蓄額に応じて最適なものを選ぶということが保険選びのコツなのだ。

この記事では、保険を「相場」に惑わされずに「自分自身に最適なのか」という視点で選ぶために、保険の知識とポイントを紹介する。

 

保険料の相場

自らに適した保険を選ぶためには保険料の相場は参考にするべきではない。しかし、そうは言っても、よその家庭がどれくらいの保険料を負担しているのかは知っておきたいことだろう。まずは前提知識として保険料の相場を男女別、年代別、世帯収入別に見ていきたい。

 

男女別に見る保険料相場

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると男女別の保険料相場は、男性で年間22.8万円、女性で17.4万円である。

月額換算すると男性が19,000円、女性が14,500円だ。人にもよるが、家賃に次ぐ固定費負担となっているのではないだろうか?「保険は人生の中で家に次いで高い買い物」と言われる理由がわかる結果である。

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年代別に見る保険料相場

次に年代別に保険料相場を見ていく。

各年代別の平均月額保険料

20代 1.1万円
30代 1.46万円
40代 1.76万円
50代 2.03万円
60代 1.52万円

出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成28年度)」

20代から50代にかけて保険料の相場は上がっていることが見てとれる。結婚、出産で家族が増え、死亡や重い病気にかかったときに備えたい金額が増えることや、年齢とともに病気や死亡の確率が上がることから、年齢が上がるにつれて保険料も高くなることが要因と考えられる。

また、60代以降で保険料が下がっているのは、子どもが就職し、以前より少ない保障で足りるようになったことや、退職前に保険料を前倒しで納める短期払を選ぶ世帯もあることが理由だろう。

 

世帯収入別に見る保険料相場

続いて世帯収入別に保険料相場を見ていきたい。

世帯年収別の平均月額保険料

300万円未満 1.27万円
300-500万円未満 1.48万円
500-700万円未満 1.73万円
700-1,000万円未満 1.99万円
1,000万円以上 2.52万円

出典:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(平成28年度)」

年収が高いほど保険料負担は大きくなっていることをお分かり頂けるだろう。

ここまで保険料の相場を見てきたが、「相場に近ければ安心」ではなく、無理なく支払い続けられる保険料の目安として考えて頂きたい。

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保険を選ぶ前に知っておきたい保険の種類

保険を選ぶ前に知っておきたい保険の種類

保険を理解し、保険会社の担当者の言いなりにならないためには、保険種類を整理することと保険特有の言葉の意味を確認しておくことが大切である。

保険会社の担当者から提示された保険料が驚くほど高額だと感じたり、保険で家計が圧迫されているのであれば、その保険には何かしら高額となる理由があるはずである。

ここでは、高くなりやすい保険の特徴、安価になりやすい保険の特徴について紹介していく。相場に惑わされない保険選びをするための材料として頂きたい。

 

保険で何に備えるべきか

保険に加入する一番の目的は「預貯金では備えきれないリスクに備えること」である。一家の大黒柱が亡くなった場合に備えて3,000万円を用意したいときに預金で準備するには膨大な年月が必要だ。

しかし、保険を使えば加入したその月から備えることが可能である。また、病気で長期入院が必要になったときにも、保険に入ってしまえば預金が十分でなくても医療費や入院中の生活費をカバーすることが可能である。

保険の中には個人年金保険のように貯蓄を目的とする保険もあるが、昨今の金利情勢で銀行の積立預金と大差がなくなり保険としての魅力が薄れていることから、医療保険がん保険、死亡に備える生命保険に話を絞って見ていきたい。

 

「掛捨て」と「払戻金有り」の違い

医療・がん保険、生命保険いずれにおいても保険料に差がつく大きな要因が、掛捨てタイプか払戻金が出るタイプなのかということである。

掛捨ての保険とは、文字通り解約してもそれまでの保険料が戻らないもののことを言う。「保険料が勿体無い」という声も聞こえてくるが、掛捨ての保険は保険料が安価になる。

また保険が不要になったときには、自分のタイミングで気兼ねなくやめることが可能である。定期的に保険を見直したい人に適しているのも掛捨てタイプだ。

一方で、払戻金のある保険は、掛捨て保険とは反対で、解約をするときに払い込んだ保険料の何割かが戻ってくる。医療保険で健康祝金などの「5年」や「10年」など決められた期間健康で過ごせた場合にキャッシュバックを受けることができる保険もこのタイプに分類される。

一見、このタイプの保険の方が経済的に映るが保険料を比べると払戻金が出る保険が格段に高い保険料となっている。

また、一定期間経過しなければ解約払戻金が増えなかったり、健康祝金を受け取ることができないという仕組みによって、解約したくてもその時期が来るまで解約を躊躇してしまうなどの不自由さがある。それゆえに見直しにも不向きと言える。

以上のことから、同じ保険に半永久的に入り続ける覚悟がない限りは掛捨ての保険に入るのがベターと言える。

家計の節約にもなる上に、より魅力的な保険が登場した場合にもスムーズに見直しすることが可能

 

「終身保険」と「定期保険」の違い

次に終身保険と定期保険の違いについて見ていきたい。

終身保険とは、保険を解約しない限り一生涯同じ保険を継続できるタイプの保険である。保険は申し込むときに健康告知が必要だということはご存知のとおりだろう。一度大きな病気をすると保険に加入できなくなったり加入できたとしても驚きの金額となることも多いため、終身保険に加入しておくのは安心だ。

また、保険料は、契約するときの年齢が上がれば上がるほど保険料が高くなるため、若い年齢で終身保険を契約できれば70代、80代になろうとその保険料は変わらず経済的だ。医療・がん保険で一般的なのは終身保険である。

定期保険は、10年間など一定の期間のみ入ることができる保険のことを言う。

その保険期間が終われば満期となり、同じ内容の保険を継続したい場合には再度健康告知を行う。契約年齢は満期が来たときの年齢に更新されるため、前の10年間に比べると保険料が跳ね上がってくるケースがほとんどである。

こう比べると、終身保険の方が良いもののように見えるかもしれないが、定期保険にもメリットはある。それは、生命保険を選ぶときに、定期保険を選択すると保険料をぐっと落とすことができるのである。

一家の大黒柱にとって多額の生命保険が必要な時期というのは案外限られた期間であることも多い。例えば、子どもが独立するまでの約20年間である。

子どもが自立した頃には預貯金も貯まっていることも少なくない。そうなると、あえて生命保険で死後の備えをする必要がなくなっているケースもある。そう考えると、世帯主の病気や死亡で本当に困窮する時期だけ、定期保険で死亡リスクに備えるというのも一つの方法なのだ。

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「終身払」と「短期払」の違い

次は終身保険の保険料の支払い方法について見ていく。

終身払は保険を継続している間、その月(年払いのときはその年)の分のみ支払い続けていく方法である。

短期払は、「60歳まで」や「65歳まで」など契約をするときに決めた時期までに一生分の保険料を前倒しで支払ってしまう方法だ。

短期払には、高齢者になったときに保険料を支払わなくて済むというメリットがあるが、その分保険料は高額になる。

高齢になっても細々と保険料負担を続けるか、経済力のある現役のうちに支払い終えるかという好みの問題のようにも見えるが、一点だけ注意して頂きたい。

後者にしてしまうと、途中で解約をしても未経過分の保険料が戻らないことも多いため、保険の見直しや解約は、「勿体ない」という意識が働き難しくなってしまう。終身払の方が無難と言えるだろう。

ここまで保険の種類について見てきたが、保険料の割安さや流動性を総合的に考えると、医療・がん保険では掛捨ての終身保険を終身払で契約すること、生命保険では掛捨ての定期保険を契約することをおすすめしたい

 

保険と家族構成

保険と家族構成

「保険でいくらの保障を備えるべきか」や「保険は必須なのか」という質問が多く寄せられるが、その答えは家族構成によりけりで個々の事情を知らずに答えることはできない。

言い換えれば、結婚や出産で家族が増えたり、子どもが独立して扶養家族が減ったときには保険を柔軟に変えていくことが上手な保険選びのコツなのである。

ここでは、独身者、夫婦二人世帯、子どもがいる世帯のケースに分けて考えていきたい。

 

未婚の場合

独身者の場合、保険選びで意識したいポイントは何と言っても「流動性の高さ」である。結婚や出産などのライフイベントで家族構成が変わった場合に、独身時代からの保険では補いきれないケースも散見される。

例えば、医療保険では、独身時代は自身の医療費や生活費をカバーできるだけで済んだものが一家の大黒柱になった途端に保障内容をより一層充実させなければならなくなるだろう。

生命保険は、独身時代は必要ないことがほとんどだ。一般的には、掛捨ての医療保険やがん保険に入っておくだけで十分である。

預貯金があれば、保険に入らないという選択も良いだろう。

 

夫婦二人の場合

夫婦二人世帯の場合には、共働きなのか否かが保険選びの鍵である。

共働き夫婦で、どちらも生計を自分自身で立てることが可能であれば、基本的に独身者の保険の考え方と同様で良いだろう。

一方で、片働きの場合には、一家の稼ぎ手にそれまでよりも大きな保険を用意することが必要となる。生命保険の加入も検討すべきである。

子どもがいない夫婦の場合には、遺族年金に頼ることができないのが現状だ。

亡くなった一家の稼ぎ手が自営業者で社会保障が国民年金だった場合には、残念ながら遺族年金はないのである。厚生年金や共済年金だったとしても、30代の妻が受給できる遺族年金は夫の平均標準月額が35万円と仮定すると年額約43万円、月にして3.5万円程度なのだ。

これらのことから、夫婦どちらかが専業主婦(夫)となった場合には、当面の生活費をカバーできるだけの金額として500万円程度の生命保険に入っておくのが安心だろう。

 

子どもがいる場合

子どもがいる世帯が保険選びをするときに重視して頂きたいのは、一家の大黒柱が稼ぐことができなくなったときの子どもの教育費である。

教育費がいくら必要なのかということを把握してから生命保険の金額を決めることが大切だ。

子ども一人にかかる教育費は幼稚園から大学まで全て公立でも約805万円だと言われている。全て私立となると2,314万円まで跳ね上がる。

幼稚園から大学までの教育費

幼稚園 小学校 中学校 高校 大学 合計
全て公立 約68万円 約193万円 約143万円 約135万円 約265万円 約805万円
全て私立 約145万円 約916万円 約398万円 約311万円 約544万円 約2,314万円

出典:文部科学省「子供の学習費調査(平成28年度)」、独立行政法人日本学生支援機構「学生生活調査結果(平成28年度)」

保険料の相場を参考にしてしまうと、生命保険に加入したはいいが、実際に準備すべき金額とかけ離れてすぎているということも起こり得る。

子どもの人数や年齢に応じて、教育費をカバーできるだけの生命保険を用意しておくことがポイントだ。

18歳以下の子どもがいる場合には、先ほどの子どもがいない夫婦の場合とは違い手厚い遺族年金を受け取ることが可能だ。

遺族年金には国民年金加入者を対象とした遺族基礎年金、厚生年金加入者を対象とした遺族厚生年金がある。

基本的に、自営業者は遺族基礎年金のみ、会社員などは遺族基礎年金と遺族厚生年金の双方を受給できることになっている。受給金額の目安は次のようになっている。

自営業者が受け取ることができる遺族年金の受給額目安

子ども一人 年間1,003,600円 (月額83,633円)
子ども二人 年間1,227,900円 (月額102,325円)
子ども三人 年間1,302,700円 (月額108,558円)

出典:日本年金機構ホームページより算出

平均標準報酬月額30万円の会社員が受け取ることができる遺族年金の受給額目安

子ども一人 1,484,549円 (月額123,712円)
子ども二人 1,708,849円 (月額142,404円
子ども三人 17,83,649円 (月額148,637円)

出典:日本年金機構ホームページより算出

このように、子どもがいる世帯は遺族年金である程度の生活費を賄うことができるため、生命保険の保障額の設定をするときには遺族年金の受給額も考慮に入れて頂きたい。

また、遺族年金の手厚さは自営業者なのかサラリーマンや公務員なのかということでも変わってくるため、最適な保障額や保険料というのは雇用形態によっても異なることにも要注意だ。やはり、保険料を相場に合わせて決めることはリスキーなことと言えるだろう。

 

保険の見直しの必要性

保険の見直しの必要性

家族構成によって保険の手厚さを変えていくことが大切だということを解説してきた。実は、家族構成の変化のほかにも保険を見直すべきタイミングというのは存在する。見直しの必要性とポイントについて紹介したい。

 

保険業界の事情

昨今、至るところで保険ショップをよく目にするようになったのではないだろうか?ショッピングモールには必ずと言って良いほどテナントが入っており、CMも頻繁に放送されている。

この保険ショップの登場で、数ある保険会社の保険を比べることが容易になった。そのために各保険会社とも他社よりも安くて良い保険を出そうしており、日々保険は改良されているのである。

実際に、生命保険文化センターの調べでこの15年の間に保険料の年間払込み金額が男女ともに8万円前後も少なくなっていることがわかっている。

また、医療の進歩に合わせて保障内容も進化している。例えば、今やほぼ全ての医療・がん保険で付加できるようになった「先進医療特約」は2008年に登場した。要するに、先進医療特約は今の保険には当たり前のようにあるが、10年以上昔に契約した保険を今も大事に使い続けている人の保険にはない制度なのである。

このように、保険業界の「価格は安く」「より充実の内容」という傾向を考えると、同じ保険を10年後、20年後も継続するより、ある程度年数が経つごとに最新の保険と比較してアップデートしていくことが必要不可欠な時代になっているのだ。

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「掛捨て」にすることのメリット

先ほど「掛捨て」と「払戻金有り」のタイプの保険のメリット・デメリットを紹介したが、定期的に見直しをして保険を最新版に近い状態にしておくことが大切な時代においては、やはり掛捨てにしていつでも自由に切り替えられるようにしておくのが良いのではないだろうか?

保険のCMでは「掛捨てじゃない!」というセリフをあたかもメリットのように伝えているが、実は掛捨てではない保険は、解約のタイミングがなかなか訪れない「保険会社にとって都合の良い保険」であることにもご注意頂きたい。

 

貯蓄額と保険の関係

保険と貯蓄は切っても切れない関係である。

保険は貯蓄で解決することのできないリスクへの備えである。貯蓄が貯まっていないうちは保険の比率は高い方が望ましいだろう。しかし、資産が増えてきてケガや病気、更には死亡したときの経済的備えができたのであれば、きっぱりと保険をやめるというのも一つの方法だ。このように貯蓄額によって保険を見直していくというのは実は資産形成をする上で非常に効率的なことなのである。保険を資産が増えるまでの「つなぎ」と思っておくと良いだろう。

 

まとめ

まとめ

保険選びのポイントを見てきたが、いかがだっただろうか?

保険には膨大な種類があり複雑であるために、保険料の相場に頼って選んでしまいがちであるが、必要な保障内容は、年代、家族構成、雇用形態、貯蓄額などの個々の事情によって全く別のものとなる。

まずは、今現在の自分自身に最適な保険選びをすること、そしてライフステージや資産状況が変化したときには見直しをすることをおすすめしたい。それが資産形成への近道でもある。

金融機関に勤務していた経験から、保険や投資信託など
お金に関わるあらゆる記事の執筆、監修を行っています。
ファイナンシャルプランナーや税金・財務関係の各種資格保有。

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