全ての経営者へ 5分でわかる上場のメリット・デメリット

全ての経営者へ 5分でわかる上場のメリット・デメリット

会社を立ち上げ経営がうまくいくと、事業の拡大を進め株式の上場を考える経営者も多いだろう。上場は簡単ではない。人的、時間的、金銭的負担が生じる。

その一方で、上場することで得られるメリットも大きい。市場の特徴や市場ごとの上場基準、上場するメリットやデメリット、上場するための心得について確認していこう。

 

この記事でわかること

上場と非上場の違い

上場と非上場の違い

日本には約421万社企業が存在する。しかし、上場しているのは約4,000社と、0.1%にも満たない。上場するためには一定の条件を満たす必要があり、それを満たすことが難しいことも上場企業が少ない理由の一つとも言えるだろう。上場と非上場の違いは次の通りだ。

 

上場とは

上場とは、だれでも自由に株式の取引ができるよう、証券取引所に公開することを言う。また、証券取引所に株式を公開している企業を上場企業という。

 

非上場とは

非上場は、証券取引所に上場されておらず、公で株式を取引されることはない。一般的に公開されていない株式を未公開株と呼ぶ。未公開株はグリーンシートなどで売買を行うことができる。

 

上場と非上場の定量的違い

上場するにはさまざまな基準がある。会社の業績や健全性、株主の人数、時価総額など、基準をクリアした企業が上場できる。

また、上場にも種類があり、それぞれの市場によって基準が異なる。経営状態の悪い会社や収益力の乏しい会社が上場することはできない。

一方非上場は、株式を広く一般的に取引することを目的としていないから、このような基準をクリアする必要はない。

 

上場と非上場の定性的違い

上場するということは、株式をさまざまな投資家が保有することになる。つまり、会社は創業者のものではなく、広く公のものとなるのだ。投資家のために、会社は利益を出し続けなければならず、また、経営者の一存で事業を進めることができなくなる。

非上場の場合、株式の保有者が創業者や役員、社員、関連会社であることが一般的であり、持続的な黒字経営を強く求められることも少ない分、自由な事業展開も可能だ。

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市場の種類と上場の基準

市場の種類と上場の基準

日本には14の市場がある。各市場の特徴と上場の基準は次の通りだ。

 

東京証券取引所

日本取引所グループの子会社で、日本最大の証券取引所である。国内外を代表とする大企業および中堅企業が、東京証券取引所に上場している。東京証券取引所では、東証第1部、東証第2部、マザーズ、JASDAQおよびTOKYO PRO MARCKETを開設・運営している。

 

東証第1部

日本を代表する株式市場、大企業の多くが上場している。また、国内の90%以上がここで取引される。海外投資家も多く国際的な市場として、その規模や流動性においても世界のトップクラスの市場と言える。

株主数 2,200人以上
流通株式 a.流通株式数 2万単位以上

b.流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上

時価総額 250億円以上
純資産の額 連結純資産の額が10億円以上

(かつ、単体純資産の額が負でないこと)

利益の額 次のaまたはbに適合すること

a.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること

b.時価総額が500億円以上(最近1年間における売上高が100億円未満である場合を除く)

 

東証第2部

東証1部に上場する手前の企業または東証1部の要件を満たさなくなった企業が上場しており、主に中堅企業向けの市場である。

株主数 800人以上
流通株式 a.流通株式数 4,000単位以上

b.流通株式時価総額 10億円以上

c.流通株式数(比率)上場株券等の30%以上

時価総額 20億円以上
純資産の額 連結純資産の額が10億円以上

(かつ、単体純資産の額が負でないこと)

利益の額 次のaまたはbに適合すること

a.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること

b.時価総額が500億円以上(最近1年間における売上高が100億円未満である場合を除く)

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マザーズ

ベンチャー企業が中心の市場である。新興市場のなかでは代表的な市場で、将来、東証1部への上場を視野に入れた成長性が見込まれる企業がマザーズに上場している。

株主数 200人以上
流通株式 a.流通株式数 2,000単位以上

b.流通株式時価総額 5億円以上

c.流通株式数(比率) 上場株券等の25%以上

時価総額 10億円以上

 

JASDAQ

信頼性、革新性、地域・国際性の3つをコンセプトに掲げるベンチャー企業向けの市場である。スタンダードとグロースの2部構成になっている。スタンダードは一定の事業規模と実績を有する成長企業を対象とし、グロースは特色ある技術やビジネスモデルを持ち、将来的な成長性が高い企業を対象としている。

  スタンダード グロース
株券等の分布状況 a.公募または売出し株式数が1,000単位または上場株式数の10%いずれか多い株式数以上

b.株主数 200人以上

同左
流通株式時価総額 5億円以上 同左
純資産の額 2億円以上
利益の額または時価総額 次のaまたはbに適合すること

a.最近1年間の利益の額が1億円以上であること

b.時価総額が50億円以上

同左

 

TOKYO PRO MARKET

東京証券取引所が開設する特定投資家向けの市場である。特定投資家とは、金融商品取引法に定められた投資家を指し、適格機関投資家や上場会社、証券会社による承認を得た一定の投資経験と金融資産を持つ株式会社や個人投資家を言う。上場の基準は東証1部、2部、マザーズ、JASDAQなどとは異なり、取引所から認定を受けたJ-Adviserが上場の審査および上場後のサポートをしている。J-Adviserが審査する要件は次の通りだ。

東京証券取引所の市場の評価を害さず、上場するに相応しい会社であること
事業を公正かつ忠実に遂行していること
コーポレートガバナンスおよび内部管理体制が整備され、適切に機能していること
企業内容、リスク情報等の開示を適切に行い、開示義務を履行していること
反社会的勢力との関係を有しないこと

 

名古屋証券取引所

名古屋周辺に本社がある企業が上場している。かつては東京証券取引所および大阪取引所とともに日本の3大市場と呼ばれていたが、東証と大証が統合し、東証に一極集中が進んだことにより、名証の取引高は減少している。名古屋証券取引所では、名証第1部、名証第2部およびセントレックスを開設・運営している。

 

名証第1部

名古屋周辺、中京地区に拠点を置く大企業向けの市場である。名証第1部の上場基準は東証第1部と同じだ。

株主数 2,200人以上
流通株式 a.流通株式数 2万単位以上

b.流通株式数(比率) 上場株券等の35%以上

時価総額 250億円以上
純資産の額 連結純資産の額が10億円以上

(かつ、単体純資産の額が負でないこと)

利益の額 次のaまたはbに適合すること

a.最近2年間の利益の額の総額が5億円以上であること

b.時価総額が500億円以上(最近1年間における売上高が100億円未満である場合を除く)

 

名証第2部

名証1部に上場する手前の企業または名証1部の要件を満たさなくなった企業が上場しており、中堅企業向けの市場である。東証第2部の基準より緩和されている。

株主数 300人以上
流通株式 流通株式数 2,000単位以上かつ上場株式数の25%以上

または

上場日の前日までに公募または売出しを1,000単位または上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上を行うこと

時価総額 10億円以上
純資産の額 連結純資産の額が3億円以上

(かつ、単体純資産の額が負でないこと)

利益の額 次のaまたはbに適合すること

a.最近1年間の利益の額の総額が1億円以上であること

b.時価総額が500億円以上(最近1 年間における売上高が100億円未満である場合を除く)

 

セントレックス

新興企業向けの株式市場である。上場基準がマザーズ等に比べて緩和されている。中部地区に限らず、成長過程の幅広いベンチャー企業が上場している。

株主数 200人以上
流通株式 基準なし
時価総額 3億円以上

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札幌証券取引所

北海道に拠点を置く有力企業向けの市場だ。札幌証券取引所では、本則市場およびアンビシャスを開設・運営している。

 

札幌証券取引所本則市場

札幌証券取引所に上場する企業は主に北海道に拠点がある企業である。市場規模は比較的小さい。

株主数 300人以上
流通株式 流通株式数 2千単位以上かつ上場株式数25%以上

または

上場日の前日までに公募または売出しを1,000単位以上または上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上行うこと

時価総額 10億円以上
純資産の額 3億円以上
利益の額 最近1年間の経常利益が5,000万円以上

 

札幌証券取引所(アンビシャス)

北海道に関連あるベンチャー企業向けの市場である。

対象企業 北海道に関連ある企業
株主数 a.500単位以上の公募または売出し

b.株主数 100人以上

流通株式 基準なし
時価総額 基準なし
純資産の額 1億円以上

(最近2年間の営業利益が連続して50百万円以上の場合は、「正」)

利益の額 最近1年間の営業利益の額が「正」。営業利益の額が「正」でない場合において、高い収益性が期待できる場合を含む

 

福岡証券取引所

主に福岡県など、九州に本社があるまたは九州で活動している有力企業が上場している。福岡証券取引所では、本則市場およびQ-Boardを開設・運営している。

 

福岡証券取引所本則市場

主に九州地区で活動する企業向けの市場だが、取引の電子化により、東証に上場した企業から上場廃止申請が続いている。取引はあまり活発ではない。

株主数 300人以上
流通株式 流通株式数 2千単位以上かつ上場株式数25%以上

または

上場日の前日までに公募または売出しを1,000単位以上または上場株式数の10%のいずれか多い株式数以上行うこと

時価総額 10億円以上
純資産の額 連結純資産の額 3億円以上

(かつ、単体純資産の額が負でないこと)

利益の額 最近1年間の経常利益が5,000万円以上

 

福岡証券取引所(Q-board)

福岡に関連あるベンチャー企業向けの市場である。

対象企業 九州に関連ある企業
株主数 200人以上
流通株式 (500単位以上の公募)
時価総額 3億円以上
純資産の額 連結・単体純資産の額 正
利益の額 基準なし

 

創業者にとってのメリット・デメリット

創業者にとってのメリット・デメリット

上場すれば会社および経営者にとってメリットは大きいだろう。しかし、上場したことにより生じるデメリットもある。創業者にとって上場によるメリットとデメリットを確認しておこう。

 

創業者にとってのメリット

 

知名度が向上し、ビジネスチャンスが増える

上場することによりメディアに取り上げられることが多くなるだろう。事業内容や会社の特徴を周知され利用者が増えることも期待出来るだろう。また、信用と安心感が生まれることにより、新たなビジネスを拡大することも出来るだろう。

さらに、上場により知名度が上がったことから、多くの人が会社に興味を持つようになる。業績の良い会社には人材が集まりやすく、優秀な人材を容易に確保することができるだろう。

 
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社員の士気が向上する

社員としても上場企業に勤めるという誇りや愛着を持つようになるだろう。また、会社の業績がそのまま株価に直結し、株価によって市場からの評価を容易に知ることができる。その結果、モチベーションが向上し、会社への貢献度も増すことだろう。

 

さまざまな方法による資金調達ができる

上場したことで社会的信用が高まる。金融機関は上場したことを信用の証とし、これまでより融資を得られるようになるだろう。また、融資だけでなく、株式や社債、新株予約権付社債の発行など、市場から直接、資金を得られるようになるだろう。

非上場のときには、買ってくれる人を自ら探さなければならないのに対し、上場すると興味を持つ投資家が自ら手を上げてくれるようになる。

 

資産が増える

上場することで株価は大幅に上昇するだろう。上場した際に、株価が高騰したタイミングで売却できれば、莫大な利益を得られる。上場する前は、創業者自身が自社の株式を最も多く保有していることが多く、上場後に売却すれば多くの現金を得ることができる。また、上場前は株式の流通性が乏しく、現金化が困難だったが、上場することで現金化しやすくなることもメリットだ。

 

健全な管理体制を維持できる

上場審査を通過するため、適正な管理体制や組織の構築、整備などを求められる。その過程を経たことで、社内は確実に健全化するだろう。

 

創業者にとってのデメリット

 

上場維持のための負担が生じる

上場準備のため組織の構築や費用など、長期にわたってさまざまな負担が生じるが、上場した後も、それらを維持するのにかかる費用や維持・管理に対する負担も継続的に生じる。監視の強化や法制度の調査および維持・管理の充実など、管理部門等が機能しなくてはならす、そのためのコストも生じ続けることになる。上場したことにより社会的責任も増し、簡単に上場廃止することは出来ないだろう。

 

情報開示義務

業績や経営に関する情報など、ディスクロージャー義務が生じる。会社にとって不都合な内容であったとしても、適時、有価証券報告書や事業報告書等により投資家や株主に開示しなければならない。

 

自由な事業展開ができなくなる

株主から業績アップ、安定した黒字経営を強く求められるため、上場前のように自由な経営ができなくなる。幅広い株主が現れることにより、多種多様な意見に応えていく必要がある。その結果、利益の少ない事業は見直され、会社が進めてきた方針も変更せざるを得ないことも起こりうるだろう。

 

買収のリスクが生じる

自社の株式が自由に売買されるため、その分買収のリスクが高まる。会社にとって不利益な株主に買われることもある。敵対的買収をされないために、従業員持ち株会を作り株主の安定化を図るなど、防衛策を講じる必要があるだろう。

 

社員にとってのメリット・デメリット

社員にとってのメリット・デメリット

上場は社員にとっても大きな変革となる。上場することによる社員のメリット・デメリットは次の通りだ。

 

社員にとっての上場のメリット

 

ストックオプションが得られる

ストックオプションによる金銭的なリターンが得られることは、社員にとって最大のメリットと言えるだろう。ストックオプションとは、会社があらかじめ定めた価格で株式を購入できる権利を言う。会社の株価が上昇したとき、ストックオプションにより優遇された金額で株式を購入し売却すれば、大きな利益を得ることができるだろう。株価が上がるほど利益が大きくなるから、社員にとっても会社に貢献し、より評価される会社にするよう努めるだろう。

 

信用力が上がる

住宅ローンを組むとき、クレジットカードを作るとき、その他金融機関から借り入れをするとき、審査が必要になる。上場企業に勤めているということは、倒産のリスクが低く安定した収入があることの証にもなるので、審査を通りやすくなるだろう。

 

キャリアアップできる

ベンチャー企業を上場させた経験は、キャリア上のメリットは大きい。そのことは、転職に際しても有利に働くだろう。また、上場により知名度が上がった結果、以前よりの優秀な人材が社内に増える。それにより、高い専門的知識が身につき、業務能力が向上するだろう。

 

社員にとっての上場のデメリット

 

コンプライアンス、規則、規律が厳しくなる

上場を維持するために、定期的な情報開示や適正な体制の維持・管理、継続的な黒字経営等を求められる。そのため、社員も資料作りや規則・規律の厳格化、売り上げに対する高いノルマを課される可能性がある。上場前のような自由な風土での仕事は出来なくなるだろう。

 

従業員持ち株会

会社の業績が悪化しているとき、従業員持ち株会がデメリットになる可能性がある。従業員が持ち株会で資産形成をしている場合、会社の業績で自分の資産が変動するからだ。会社の業績が良ければ問題ないが、悪化している場合、給与や賞与の減額、残業無しなど、収入が減ってしまうことがある。そのとき頼りになるはずの個人資産が持ち株会中心である場合、会社の業績とともに株価も下落してしまい、元本を回収できない場合がある。持ち株会に頼りすぎるのは危険だろう。

 

上場を目指す際の心構え

上場を目指す際の心構え

上場すると知名度が向上し、資金調達も容易になり、ビジネスチャンスも広がる。一方で、上場準備には時間と多額の費用かかり、上場後も維持するためにかかり続ける費用や労力が必要だ。上場を目指す経営者に必要な心構えや準備についてを見ていこう。

 

社会的責任の増加

上場企業にとって利益の追求はもちろんのこと、社会に与える影響に責任を持ち、株主だけでなく消費者および社会全体からの要求にも適切に対応しなくてはならない。上場することによりブランドやイメージがアップし、利害関係者からはより一層のサービスを期待されるだろう。パブリックカンパニーとして、高い倫理観を持ち社会的責任に応えていく必要がある。

 

社内規定の整備

社内規定が整備されていない会社は、しっかり整え、規定に基づいた運営をする必要があるだろう。業務におけるマニュアルやルール作りも必要だ。社内規定と実務の整合性が取れない場合、上場審査を通過することは難しいだろう。規定類をそろえれば完璧というわけではない。それに基づいた運営、確認、管理、見直し等が必要になる。

 

盤石な体制づくり

担当者レベルで仕事をしていた状態から、組織主体となる体制作りが必要となる。会社組織を整備するには、将来の事業方針を戦略的に考え、具体的な組織図の形に当てはめ骨組みを作ると良いだろう。

特に、職務権限と職務分掌を明確にすることが重要だ。これらを明確化しないまま、企業規模が拡大していくと、いずれ、指揮・命令系統の混乱を引き起こし、仕事の漏れや無駄など、業務が効率的に行われなくなる。また兼任すべきでない業務を同一人物に兼任させることで、不正を未然に防止できないといった問題も生じだろう。体制づくりは単に上場準備としてだけでなく、より一層会社を発展させるためにも非常に大切だ。

 

監査部門の設置

内部監査制度は、業務が社内の各種規定や社内ルールに従って遂行されているか、監査担当者が検証し、改善に向けた助言や勧告、実行支援などを行う。その改善活動を通して法令の遵守や資産の保全、経営効率を高めることを目的とする制度だ。上場会社においては、株主に対して業務諸活動の合法性と適正性など、内部統制を担保するため、内部監査制度の構築が求められる。そのため、上場審査においては、その整備状況と運用状況は審査項目として重要となる。

内部監査は、公正かつ客観的な監査が行われる必要があることから、独立した組織で専属の担当者が実施することが望ましいとされる。しかし、小規模な会社で人員の確保が難しい場合には、他部署との兼務が考えられる。そのような場合にも監査対象部門からの独立性は必須だ。

内部監査の機能は、上場後においても重要な役割を果たす。上場企業に適用される「財務報告に係る内部統制報告制度」において、監査の実施とその結果が全社的な内部統制の要素として重要となる。

 

利益を出すための人員強化

利益を出し続けるため、人員強化は最優先にすべき課題だろう。具体的には、営業部門や生産部門・販売部門など、生産性や売上アップに直接影響を与える部門の人員を増やし教育していく事が必要である。

しかし、上場を目指す企業にとってこの準備期間は、企業の大きな変革期でありどの部署でも人手不足が発生する。そのような状態で生産性を上げ利益を追求すると、社員の負担は計り知れない。

さまざまな部署で新規採用を始めてしまい、人件費が圧迫し売上が思うように伸びないといった事態にならないよう、経営者は自らが掲げた事業計画を実現するために、どのような人材を何人揃えたらよいのか慎重に考え組織づくりを行う必要がある。

 

ディスクロージャー対応

非上場の場合、決算書を外部へ提出する場面は、税務署への申告以外ほとんどないだろう。会社が上場すると外部報告用の決算書を作成することになり、非上場のときの決算書とは大きく異なる。上場企業では外部報告に際し、金融商品取引法、上場規則、財務諸表等規則、会社法等の関連法律に従って開示書類を作成する必要がある。そのため、会社の財務内容を適時、開示できるような会計システム、組織、人員の確保が不可欠だ。

また、上場後は有価証券報告書、半期報告書、決算短信のほか四半期報告が求められる。これらのディスクロージャーに対応するためには、経理部門を整備し、月次の決算体制の精度を向上させ、さらにスピードアップさせる必要があるだろう。
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経営企画機能の強化

株式上場審査において、会社が組織的な経営管理を行うために十分な体制になっているかを審査される。そのためには全体的な経営方針や中長期計画、これを実現するための予算計画等を策定し、その実現に必要な統制を社内全体において実施する必要がある。

上場し企業規模が大きくなると、経営陣だけで情報収集や戦略立案を果たす事が難しく、経営企画機能の強化が求められる。こうした経営企画機能は、株式上場の準備期間中そして上場後も、事業計画の策定や予算管理、IR機能など重要な役割を担うことにもなる。

 

IR活動

IR活動つまり、企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績の実績・今後の見通しなどを広報するための活動が必要になる。

上場すると、当然ながら株主対応は重要な任務となる。このIR活動は企業の発展には欠かせない役割を担っていると言える。株主の数が多ければ多いほど、さまざまな問合せが増え、それに対し適切に対応が求められるため、株主の数が多い企業ほど、専任の人員を確保し配置することが必要だ。

 

まとめ

上場と一口で言っても市場の種類によって基準が異なる。厳しい審査を通って上場したとしても、メリットばかりとは限らない。

株主に対する責任や盤石な組織体制、内部統制なども必要だ。上場のデメリットは非上場のメリットと言える。一方、企業規模を拡大し、事業をさらに展開したいなら、上場で得られるメリットは大きいだろう。上場を目指すならばさまざまな負荷を考慮し検討することが大切だ。

富田FP事務所 代表 ファイナンシャルプランナー
2019年度MDRT成績資格会員(8年連続MDRT成績資格会員)
ゴールドマン・サックス証券会社等、複数の金融機関にて勤務し、金融業界のノウハウを学ぶ。2007年 独立して、株式会社フォーチュンフィールド設立。富田FP事務所として、独立系FP、独立系IFAを含め、証券会社、保険会社、保険代理店、にて金融業界の知識を活してプロフェッショナルの事業を行う。

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